Planet Under Pressure会議大詰め

ホテルにプリントを依頼したポスターによる発表も無事終わり、Planet Under Pressure会議もいよいよ最終日の午後を迎えた。いま、IHDPコアプロジェクトメンバーによるパネルディスカッションを聞いている。
IHDPはIGBPと連携して、過去1万2千年の気候変動が人類の歴史にどのように影響したかを調べるプロジェクトを推進している。これに生物多様性の変化も加えて調べればもっと良いはずだが、これまではそういう志向性はなかったようだ。DIVERSITASのほうでも人類の歴史についてのアプローチはまだほとんど考えていない。bioGENESISの科学計画には、私がこの方向性を書き込んだのだが、実際には進んでいない。今後の重要な課題だと思う。
今朝のプレナリーセッションでは、Future Earthを「アポロ計画」にたとえた大演説があった。演説をぶったのは、Planetary boundariesを提唱したJohan Rockström。ひさびさに、アジテーターの演説を聞いたという感じ。自然科学と社会科学を統合したひとつの地球持続可能性科学、という方向性に異論はないが、地球システムの変動をより正確に予測するには、地道な観測研究が必要だ(とくに生物多様性の場合はそうだ)。本当に必要な地道な研究を、大きなトレンドの中にいかにうまく「売り込む」かをよく考えるほうが良いだろう。