Future Earth - 地球の未来にむけての持続可能性科学

昨夜、クアラルンプールに到着。今日から、Future Earth という、地球の未来にむけての持続可能性科学を推進するための新しい国際プログラムに関するアジア地域ワークショップに出席する。このプログラムは、ICSU(国際自然科学連合)が強力に推進しようとしているものである。当初は、DIVERSITAS, WCRP, IGBP, IHDPという4つの地球環境プログラムを統合し、社会科学との連携を強化し、ひとつの地球システム科学の構築をめざす提案だった。その名も、Grand challenge。10数名からなる移行チームが組織され、8月下旬に計画草案が作成された。この草案に対して、DIVERSITASコアプロジェクト議長のひとりとして、さまざまな意見を述べた。今回は、このFuture Earth構想について、アジアの関係者で集まって議論する。移行チームの報告を受けて、熱い議論がたたかわされることになるだろう。
先週の土曜日は、科学技術振興機構で、社会科学と自然科学の連携プログラムについて議論するためのワークショップのお世話をした。日曜日は、ひさしぶりに伊都キャンパスに出かけて、「どんぐりの森をつくろう」に参加し、小学生と一緒に森を歩いた。イシガメは相変わらずの人気者だが、今年はニホンカナヘビを手なづけて、持ち歩いている男の子がいた。科学技術振興機構のワークショップでは、このような市民活動を支える科学研究の方向性を真剣に議論した。その場での地に足のついた議論にくらべ、国際的なFuture Earthの議論につきあっていると、「現場感覚のない人たちが概念で世界を変えようとしている」と感じる。このような議論の場で、現場にしっかり軸足を置いている研究者が発言する意義は大きいと思うが、なかなか骨のおれる仕事だ。今回は日本からの参加者も多いので、孤軍奮闘しなくてすみそうだ。