ヴィネット

DIVERSITAS bioGENESISのサイエンスプランをもとに、”Evolutionary Applications”という入門書を出版する計画を検討している。その提案書には、vignetteという表現が頻繫に使われている。この単語の意味を調べるために、Google翻訳を使ったら、「ビネット」と翻訳された。どうやら日本語の訳がないらしい。さらに調べてみると、ウェキペディアに「ヴィネット」という項目があった。

1.書籍の装幀に使われる小さな絵。
2.小型のジオラマ
3.口径食(Vignetting)。
4.ヨーロッパの高速道路で、使用料金を支払っていることを示すためにフロントグラスに添付するシール。ビネット、ビニエットと表記されることもある

うーん、脈絡がない。Nicheと同じで、意味の歴史を知らないとわからない言葉なのだろう。
ふと思いついて、Google翻訳でフランス語から訳させてみたところ、「サムネイル」という訳語が出た。うーむ。
そこで、語尾をとってvigneを翻訳すると、「つる」。そうか、Vignaと同じ語源なのね。しかし、これでも語源がわからん。
さらに調べてみると、Vignette is a word that originally meant "something that may be written on a vine-leaf"というWikipediaの解説に到達した。なるほど、昔はきっと、ブドウの葉に手紙や絵を描いていたわけね。ちょっと気のきいた絵をブドウの葉に書いて、ひとことメッセージを添えて、誰かにあげる習慣があったのだろう。そういう想像をしてみると、vignetteという表現に親しみがわいた。
DIVERSITAS bioGENESISのサイエンスプランには、22個のBOXがあるが、それぞれのBOXにできるだけわかりやすい図や写真をつけた。提案書では、これらのBOXを、vignetteと表現したわけだ。なかなか気のきいた表現だ。
22個のBOXは、今読んでも、非常によく書けている。進化生物学の応用に関心がある人には、一読を進める。下記のサイトから無料でダウンロードできる。