パリ紀行(1)

DIVERSITASの新コアプロジェクト、bioGENESISの科学委員会(9月28-29日)は、無事終了。パリ到着の翌日から、2日間、朝から夜まで英語で会議。2日目の夜には、さすがにへとへとになった。夕食が始まったのは10時ころから。私が同席したメンバーの間では、コメディの話題が続き、ついていくのに苦労した。ミスター・ビーンズくらいは知っているが、話題にのぼった他のコメディアンはまったく知らない。コメディのシーンを話題にしては、あのシーンは傑作だったと言って談笑されても、こちらはほとんど蚊帳の外である。ライトアップされたノートルダム大聖堂を見て、ホテルに戻ったのは、0時15分。疲れていたので、シャワーのあと、すぐに眠りについたが、3時ころに、こむら返りの激痛で目がさめた。精神的な緊張が続いたために、筋肉もこわばってしまったようだ。
ホテルのチェックアウト時間は12時なので、午前中のうちにルーブル美術館を見ることにして、9時ころにホテルを出た。しかし、この計画は、誤算だった。世界文化遺産であるセーヌ川沿いの街並みは、歴史が感じられて、とても美しい。写真をとりながら歩くと、すぐに時間がたってしまう。
科学委員会は、自然史博物館で開かれたので、ホテルは博物館のある動・植物園の敷地のすぐ近くにある。動物園側の西口を出たすぐの場所である。ホテルから、動・植物園の敷地に沿って、キュビエ通りを東にしばらく歩くと、セーヌ川に出る。
セーヌ川沿いに少し北東に歩くと、まずサン・ルイ島(イレ・ド・サン・ルイ)があり、次に、ノートルダム大聖堂があるシテ島(イレ・ド・シテ)がある。島と名がついているが、要するに中洲である。サン・ルイ島の街並みは落ち着いた雰囲気があって良かった。
ノートルダム大聖堂からは、すばらしい賛美歌の声が流れていたので、建物の中に入った。賛美歌の歌声が、広い教会のドームに響き渡り、思わず足をとめて、しばらく聞きほれてしまった。ケンブリッジやウィーンを訪問したときにも感じたことだが、ヨーロッパの古い都市では、教会音楽が日常生活の中に溶け込んでいる。
※日本でも、カラオケ・演歌・ポップスなどの音楽が身近にあるが、生活との関わりの歴史がいかにも浅い。世代を通じて歌える歌がほとんどないのは、残念なことだ。
ノートルダム教会からセーヌ川の右岸にわたり、5分ほど歩くと、ルーブル美術館である。ホテルからより道をせずに歩けば20分程度だが、美術館の建物が見えた時点で、時計の針は10時をまわっていた。そして、ルーブル美術館の建物を堪能しているうちに、あっという間に11時が近づいてきた。ルーブル美術館が大きいことは事前に知っていたが、建物がこれほど見事だとは予想していなかった。セーヌ川沿いの通りに沿って建物を見た後、中庭に入って建物を見て回ると、もはや博物館に入って絵を見る時間はなくなってしまった。
やむなく11時に博物館を離れ、ホテルに戻った。ホテルには11時15分着。
ここ、TIMHOTEL JARDIN DES PLANTESには無線ランの有料サービスがあるのだが、ホットスポットの調子が悪くて、2日間とも使えなかった。結局、メールも読まず、ブログも更新しないまま、2日間が過ぎた。この紀行文は、帰国後にアップロードすることになるだろう。
チェックアウト時間が近づいてきた。これからホテルを出て、昼食をとったあと、ルーブル美術館を再訪して、こんどは絵を見る予定。
フライトは、今夜(30日)の10時発。日本には、1日の午後5時に到着の予定。