京都賞授賞式

第25回京都賞授賞式、晩餐会に出て、ホテルの部屋に戻ったところ。京都賞に関わるのは3回目である。最初はハミルトン博士の受賞のとき、二回目はメイナード・スミス博士の受賞のとき。今回は、ピーター&ローズマリー・グラント博士(夫妻)が受賞された。3回とも、受賞記念ワークショップで話をさせていただく機会をいただいた。しかし、授賞式に参加したのは、今回が初めてである。
大きな賞の授賞式には何度か参加しているが、京都賞の授賞式は、とても印象が良かった。京都賞は、稲盛和夫理事長の「業績が偉大であることはもちろんのこと、謙虚にして人一倍の努力を払い、道を究める努力をし、己を知り、偉大なものに対して敬虔なる心を持つ人であること、またその業績が真に人類を幸せにすることを願っていた人であること」という明確な理念をもとに運営・選考されている。この理念が、授賞式にも反映されており、受賞者の説明に際しても、本人だけでなく両親や家族の人生や人柄が写真を使って紹介された。ここまでプライベートな事情に踏み込んだ紹介をする賞は、これまで経験したことがない。京都賞の理念はきわめて日本的であり、また普遍性もある。非常に明確な理念を持つ賞であることを、あらためて感じ入った。
受賞式の最後に組まれた、色とりどりの和服を着た小学生(女子)による合唱が、とても良かった。人類を幸せにすることを願うなら、何よりも子供たちが希望を持てる社会を作らなければならない。子供たちが笑顔で、わらべ歌風の振り付けで手を動かしながら合唱するのは、京都賞授賞式の最後を飾るにふさわしい演出だと思った。「七つの子」「砂山」「青い地球はだれのもの」という選曲も良かったし、編曲を千住明さんが担当されているのも、京都らしくて良かった。「七つの子」は、ピーター&ローズマリー・グラント博士(夫妻)の受賞にもぴったりの選曲だ。晩餐会で、「七つの子」の歌詞の意味をグラント博士にお伝えするのは、楽しいひとときだった。
事務局の方から、「通訳準備のため、スライドのファイルを早くください」と督促を受けた。昨夜から作業を始め、新幹線の車中で作業を続けたが、まだ完成していない。明朝には完成させて、事務局に届けねば。