ひさしぶりの休息に「ヘアスプレー」

つくばで開催された外来生物の国際シンポで、総合討論のコメンター役を何とかこなし、今朝8時に羽田を発って福岡に戻った。3時限目の集団生物学の授業を終えると、どっと疲れが出た。何しろ、1日にパリから戻って以後、週4日の授業と週末の出張をこなしながら、次々に迫るしめきりと格闘する日々が続き、一日として気が休まる日がなかった(→日程表)。明日はP&P(学内プロジェクト)の事後評価ヒアリング、あさっては環境省プロジェクトの事後評価ヒアリング、土曜日はJSTでの会議と今後も日程が詰まってはいるが、とりあえず明日は15分間のヒアリングを受ければよいだけである。パワーポイントのファイルなど、必要な資料は事前に提出しているので、今夜は久しぶりに、気持ちにゆとりができた。
というわけで、早めに大学を出て、18時半から映画「ヘアスプレー」を見てきた。有名なミュージカルの映画版である。もっとも、ミュージカルは、80年代のコメディ映画をもとに作られたということなので、正確には映画のリメークと言うべきなのかもしれない。
ギャガ・コミュニケーションズ配給の日本語字幕版の宣伝コピーは、「ハマる!ハジケる!ハチキレる!?」。このコピーや派手なポスターからは、いかにも軽そうなアメリカ映画に見える。しかし、内容はまさに重量級。ひさびさに、アメリカ映画の傑作を見た気がする。
エネルギッシュな女子高生トレーシーを演じたニッキー・ブロンスキーは、映画の中で見る見るうちに魅力的なキャラクターに変身。パワー満点のシンデレラストーリーを見事に演じている。
前半は、典型的なサクセスストーリーだが、「コーリー・コリンズショー」のNegro Dayが打ち切られたところから、物語は大きく展開する。トレーシーが”Integration, not segregation"というプラカードを掲げてデモの先頭にたち、警官の頭をプラカードでポカリとやってしまい、指名手配されるという展開は、予想できなかった。最後は、ダンス仲間の助けで生放送のステージに立ち、ダンスのパワーで、mixtureを実現してしまう。
楽しくて、重くて、リズミカルで、パワーあふれるミュージカル映画。疲れ切った時に見る映画としては、ベストチョイスだった。
ジョン・トラヴォルタの怪演は、お見事。