ヒトはチンパンジーより適応しているか?

「集団生物学」第2回・第3回の講義で使ったパワーポイントファイルをウェブサイトに掲載した。サイトは、こちら
今日の「集団生物学」第3回の講義では、前回のレポートの悪い例、良い例をパワーポイントスライドで紹介して、レポートの書き方の注意点を学生に説明した。
レポートと言っても、授業時間の最後に10分〜15分をかけて、授業で得た知識を要約し、自分の意見や質問を書くだけのことである。しかし、これがなかなかできない。
今日の説明で、もっと改善されることを期待したのだが、予想したほど水準はあがっていない。次回も、レポートの書き方の指導をしよう。
レポートに書かれた質問の中で、生存力や繁殖力が高ければ、個体数は増えるはずなので、個体数が多いことは、やはり適応の指標になるのではないか、というものが散見された。先週の講義で、適応度は個体の性質であり、種の個体数が多いことは適応の指標にはならないと説明したことを受けた質問である。この質問をとりあげて、説明を補足した。

  • ヒトはチンパンジーより個体数が多い・・・ヒトの方が適応している?
  • ゴキブリはチンパンジーより個体数が多い・・・ゴキブリの方が適応している??
  • 大腸菌はヒトより個体数が多い・・・大腸菌の方が適応している???

という例を順次とりあげて、環境を無視して種間で個体数を比べることのおかしさを考えてもらった。このような考え方がなぜおかしいかを説明したあとで、次の問題を投げかけて、さらに考えてもらった。

今日のレポートを読むと、なお正確な理解には到達していない学生がかなりいるようだ。次回には種概念が登場するし、授業全体を通じて理解を深めてもらうことにしよう。

明日しめきりの仕事や、あさってが締め切りの仕事が目白押しですが、寝不足と疲労がたまっていて、作業効率が悪いので、今日は思い切って帰宅し、ゆっくり休んで明日以後にそなえます。といっても、5時半なので、ふつうの人が帰宅する時間なのですが。