一日早い誕生日登山
明日は私の誕生日である。過去4年間、誕生日は屋久島の山で迎えた。しかし、そのプロジェクト予算も3月で終わり、いまは報告書執筆に忙しいので、屋久島に出かけるわけにはいかない。
そこで、由布岳に登ることにした。由布岳は、比較的簡単に登頂でき、いろいろな植物が観察できて、見晴らしも良い。私の好きな山の一つである。
本来なら明日でかけたいところだが、明日は平日であり、いろいろと対応しなければならない仕事がある。そこで、一日早く、今日出かけることにした。
今年から研究室のメンバーになったM君、Yさんに声をかけて、一緒に登った。3時ころから雨という予報だったが、幸いにしてほとんど雨には降られなかった。山から降りて、サクラソウの自生地に立ち寄ったときに、少し降られた程度である。
キスミレが満開であり、エヒメアヤメも点々と花をつけていた。10種をこえるスミレ類のほとんどは同定できたが、一種だけすぐに名前を思い出せないものがあった(上の写真)。大学に戻って調べてみたら、サクラスミレだった。九州では珍しいスミレであり、私は始めて見た。新版大分県植物誌でも、少ないと書かれている。見たのは写真を撮った一株だけだった。特殊な環境に適応した種なら、個体数・自生地が少ないことも納得がいくが、サクラスミレの自生地は、ありふれた場所だった。いったいどうやって滅ばずにいるのか、不思議である。
何回も出かけた山でも、訪問するたびに新しい発見がある。それがフィールドの面白いところである。
明日で5453歳。定年まで1213年弱となった。面倒な仕事はできるだけ引き受けずに、フィールドワークをあと1213年続けたいものである。