エイプリル・フールの花

yahara2007-04-07

写真は、ヒガンバナ科のHaemanthus coccineus。ナミビア南部の海岸からケープにかけて分布する植物である。ケープタウンのRondevlei Nature Reserveで、3月31日に見た。この花が現地でApril Foolと呼ばれていることをあとになって知った。当日に気づいていれば、4月1日のブログで紹介したのに・・・。
ヒガンバナと同様、花期には葉がない。ケープの3-4月は秋にあたる。花が終わり、冬になると、2枚の葉を出す。Haemはヘモグロビンのヘムと同じで、「血」を意味し、anthusは「花」。つまり、Haemanthusは「血の色の花」という意味である。赤い花にちなんだ名前だ。April Foolと呼ばれる理由は、なんだろう。
赤い花びらに見えるのは、実は包葉であり、黄色いおしべのように見えるものが花である。つまり写真は、花序である。ヒガンバナと同様に、たくさんの花が花茎の先端に集まってついている。
私は最初、全体がひとつの花だと思ってしまった。花にだまされたわけである。植物学者すらだましてしまう4月の花というわけで、April Foolという名前はなかなか良い。
しかし、本当の意味は、別にあるのだろう。
Rondevlei Nature Reserveは、第二次大戦後(1952年)に鳥の保護区として設定された。その後、市内はほとんど開発されてしまい、いまでは鳥だけでなく、低地や海岸の植物が残る貴重な場所になっている。
今日は終日、10日しめきりの報告書の準備。さすがにオーバーナイトフライトを乗り継いだ疲れが残っていて、あまり進展しなかった。明日はがんばらねば。

五分桜 ケープは遠く なりにけり