野生化したグッピーの性的二型

個体群生態学会で、グッピーの性的二型に関する狩野さんのお話を伺った。オスの長い尾には、体を大きく見せてメスを騙す効果があるようだ。その話自体も面白かったが、何よりも、沖縄各地の河川や用水路に、野生化したグッピーが普通に見られ、流水環境に応じて集団間分化が生じているらしいという話に、興味をそそられた。
ウェブを検索してみると、狩野研究室のウェブサイトに、沖縄産野生化グッピーの写真が掲載されていた。
グッピーに関しては、トリニダードでの研究があまりにも有名である。Natureに掲載されたBreden & Stroner (1987)の古典的論文以後も、多くの研究が蓄積されている。性的二型の研究では、有力な材料のひとつである。
今なら、ゲノムレベルの研究が本格的に展開できる材料である。どこかのラボでやっているに違いないと検索をかけてみたが、シンガポール国立大学のグループによるのRAPDによる連鎖地図(Khoo et al 2003)以外、とくに目立った進展はないようだ。
グッピーは、大穴かもしれない。