Collapseの目次

leeswijzerさんのブログで、ジャレッド・ダイヤモンド新刊『崩壊』目次、が紹介されている。
問題提起と、文明崩壊を5つの要因から見るという枠組み(A five-point framework)を述べた「プロローグ」のあと、第1部はやはり「Modern Montana」から始まる。題して、「Under Montana's Big Sky」。「Big Sky」は、モンタナ州のニックネームだ。合衆国の州にはすべて、このようなニックネームがついている。モンタナ州は、「モンタナの風に抱かれて」の美しい映像で描かれたように、青い空がどこまでも広がり、もともとは自然に恵まれた州である。その「モンタナ州」が、環境破壊による文明崩壊のモデルとして語られるとは思わなかった。Montana and me という小見出しがあるから、ダイヤモンドにとって「モンタナ」は、特別な場所なのだろう。
第2部「Past Societies」は、「Chapter 2: Twilight at Easter」に始まり、「Chapter 9: Opposite Paths to Success」で終わる。9章では、成功のモデルとして日本がとりあげられるようだ。「Tokugawa problems / Tokugawa solutions / Why Japan succeeded」という小見出しが続く。日本語に訳されたときに、いちばん議論を呼ぶ章かもしれない。「江戸モデル」をあまり美化しすぎるのも困るが、現代日本のあり方を反省する材料にはなると思う。
第3部「Modern Societies」は、プリンストン大学での講演では、ほとんどとりあげられなかった内容である。「Chapter 10: Malthus in Africa: Rwanda's Genocide」に始まり、「Chapter 13: "Mining" Australia」に終わる。ダイヤモンドが現代社会をどう語っているか、楽しみである。
第4部「Practical Lessons」は、「ではわれわれは、どうすれば良いか?」という問いを取りあげた章だと思われる。3つの章の最後は、「Chapter 16: The World as a Polder: What Does It All Mean to Us Today?」と題されている。
「ポルダー」とは、たぶんオランダの干拓地のことだろう。グローバル化した世界を、海抜0m以下の干拓地にたとえたものと見た。「Life in Los Angeles」などの小見出しから、内容を想像することは難しいが、富む者の優雅な暮らしも、貧者の瀬戸際の暮らしと同様に、同じ「ポルダー」の中にあると言いたいのだろうか。
最後は、「Reasons for hope」と題されたセクションで終わる。ダイヤモンドは、希望を持っているようだ。「希望」とは、なんだろう?
その「希望」をのせたパッケージは、Amazonから箱崎に向かっているはず。