モンサント・ポリス

23日のコメントで、ウミユスリカさんが、「モンサント・ポリス」について言及された。私には、初耳だ。モンサントと言えば、合衆国の大手農薬メーカー。モンサント社が開発した除草剤ラウンドアップは、世界でもっとも広く使われている除草剤の一つである。
モンサント社の本社はミズーリ州セントルイスにある。植物分類学の国際的研究拠点であるミズーリ植物園の植物標本室がある立派な建物は、モンサント社の寄付で建てられたので、「モンサント・ビルディング」と呼ばれている。ハーバリウムの建物を気前よく建ててくれるくらいだから、よほど儲かっているんだろうと思った記憶がある。
そのモンサント社は、除草剤抵抗性遺伝子を組み込んだ作物の開発でも、世界をリードしている。ラウンドアップ抵抗性の作物と、ラウンドアップをセットで農家に売るビジネスで、大成功を収めている。
さて、「モンサント・ポリス」とは何ぞや。検索してみると、「+駝・鳥+」さんの1月17日のブログに紹介があった。モンサント社は、「種子警察官」を雇用して、遺伝子組み換え品種を使っていない農家を監視し、農家が種子を自家採取して利用していると、特許付き遺伝子組み換え(GM)作物を違法に利用したという理由で、農民を告訴しているらしい。この問題について、米国の食品安全センターというNPOが、「Monsanto vs. U.S. Farmers」という報告書を今年の1月13日に発表したそうだ。早速ダウンロードしてみた。写真入りで、84ページもある、立派な報告書だ。まずは、これを読んでみるか。日本植物学会理事として、GM問題担当を任命されてしまったので、知識をアップデートする必要がある。
批判する側だけでなく、モンサント社側の見解も知りたいと考えて、検索してみたが、見つからない。日本モンサントのウェブサイトには、「高い倫理観に基づく活動を行う」という基本方針が書かれている。
法学部出身の友人が、裁判記録を見てはどうかとアドバイスしてくれた。Monsanto社と裁判闘争をしているSchmeiserさんという人がいる。今や、反モンサント派として有名な人らしい。その人が、Monsanto社と争って敗訴した裁判の記録が見つかった。
これを読めば、双方の主張がわかりそうだ。
とりあえず、これだけ材料が揃った。今は、時間がない。とりあえずここまで。もし、他に有益な情報源をご存知の方があれば、教えてください。