「史前帰化植物」への疑問

Tさんが「史前帰化植物」のことを書かれているが、私はこの概念に昔から疑問を感じている。ヒトが日本列島に最初にやってきたのは約3万5千年前。そのあとから黒ボク土が日本中にひろがる。おそらくこの時代に、ヒトとともに日本に分布を広げた植物があったことだろう。
しかし、その後およそ2万年前までに氷期が訪れ、九州と朝鮮半島がつながり、「満鮮要素」と呼ばれる草原性の植物が大陸から九州に分布をひろげた。その分布拡大は、気候の寒冷化の影響とともに、人間活動の影響下にあったはずだ。
その後、温暖化が進んだにもかかわらず、「満鮮要素」が阿蘇・九重地域などで生きのびたのは、人間が草原を維持したおかげだ。とすれば、「満鮮要素」も「史前帰化植物」ということになる。
この問題についてはもっと書きたいことがあるが、いずれまた。夜もとっぷりとふけた。さぁ、帰ろう。