ゴッホと草木図説

yahara2008-04-12

ベルリンからアムステルダムに飛び、無事大阪に到着した。福岡便への乗り継ぎを待っているところ。
アムステルダムSchiphol空港には無料で入場できるギャラリー(正確にはRIJKS Museum Amsterdam Schiphol)があるが、なんと「ゴッホと自然」(Nature Close-up from the Van Gogh Museum)という企画展示をやっていた。アムステルダム市内にあるVan Gogh Museumの所蔵品から、「自然のクローズアップ」を描いた作品が展示されていた。
ゴッホが一時期、浮世絵や広重の木版画に強い関心を持ち、影響を受けたことは有名だが、日本の草木画の緻密な描写にも強い関心を持ち、影響を受けたという事実は、初めて知った。
企画展では、ゴッホが描いた麦畑の絵と、イネ科植物を描いた日本の木版画が並べて展示されていた。比べてみると、なるほど確かに影響がうかがえる。ゴッホの麦の描写は、一見ラフに見えるが、穂をひとつひとつ丁寧に描いている。この細部へのこだわりは、日本的である。
展示されていたイネ科の絵は、草木図説のもののように思えたが、本はヨーロッパで出版されたもので、弟のテオのコレクションの中にあるものらしい。
あとでネットで調べればすぐにわかるだろうと思って本のタイトルをメモしなかったのだが、検索しても見つからない。どなたかご存知の方があれば、ぜひ教えてほしい。
写真は特別展示の案内板。掲載されている絵(おそらくサトザクラ)は、歌川広重による富士山を背景にしたサトザクラの絵と対で展示されていた。並べて見ると、枝や花の細部へのこだわり方がよく似ている(もちろん、広重の絵のほうが細部まで描かれているが)。
特別展は4月9日から7月7日まで。この期間にヨーロッパに行かれる機会のある方は、アムステルダム空港で乗り継ぐとお得かもしれない。