ドーハを舞った日本の龍

カタール国のドーハで、アジア競技大会が開幕した。出張先で、その開会式を見た。少しだけのつもりだったが、なかなか寝付けず、入場行進が始まるまで見てしまった。
ドーハの悲劇」のおかげで、首都の名前だけは知名度が高まった。しかし、カタール国と言われても、その位置すら正確にわからない人が多いだろう。アラブ半島からペルシャ湾に突き出した小さな半島にある小国で、面積は秋田県とほぼ同じ。人口は74万人というから、福岡市の人口の半分強である。イスラム国家であり、スンニ派が大多数をしめるという。治安は安定しているようだ。
開会式は、アラブの若者が真珠を探す旅に出て、黄金の鷹とアジア諸国の民に助けられて生還し、民に祝われて結婚式をあげるというストーリー。アラブ、中央アジア、インド、インドシナインドネシア、中国、日本の民族衣装・民族舞踊を取り入れて、アジアはひとつであることをアピールしていた。「アジアはひとつ」と言われてもなかなかピンとこないが、舞妓姿の踊りが、中国の京劇、タイの古典舞踊、コサック風の中央アジアのダンスなどと一緒になって開会式を盛り上げていく様子を見て、アジアはこんなにも多様だが、しかしアジアはひとつなのだと実感できた。結婚式でアラブの踊りがそこに加わると、アラブもまたアジアなのだという一体感が生まれた。とても良い構成だったと思う。
日本の踊り手の列に、長崎くんちの蛇踊りが登場したのには驚いた。蛇踊りは日本人にとっては、「異国風」の行事だが、日本人以外から見れば、日本の文化なのだ。江戸時代に、長崎の中華街で始まったそうだが、たしかに「ラーメン」同様、すっかり日本風にアレンジされてしまっている。
そして、日本のシンボルとして「龍」の絵が登場した。意外だったが、考えてみれば「龍」は日本人に広く親しまれたシンボルである。

今日は湖西線マキノ町まで北上し、午前中は種生物学シンポに出た。午後は湖西線で唐崎まで戻り、総合地球環境研究所プロジェクトの研究会に出た。地球研プロジェクトは、特定の課題を分担してはいないが、コアメンバーとして意見を言う役回りなので、欠席するわけにはいかない。