「竹取の翁」の年齢のなぞ

竹取物語」の結びの部分には、「齢五十なる翁」という表現がある。私は5月1日で51歳になったので、とうとう「竹取の翁」よりも年をとってしまったことになる。
しかし、「竹取の翁」の年齢には、なぞがある。実は、物語のはじめには、「齢七十なる翁」と紹介されている。かぐや姫が成長し、成人するまでの間に、「翁」は20歳も若返っているのである。
竹取物語」の作者は、かぐや姫の不思議な力をあらわすために、かぐや姫が年齢を重ねるごとに、「翁」が一歳づつ若返るという設定を思いついたのだろう。ちょっと読んだだけでは気づかない設定である。作者の遊び心がうかがえて、楽しい。
不老不死や若返りは、古代以来、人間の夢だった。それはかなわぬ夢ではあるが、体を動かすことで体力を保ち、挑戦し続けることで若さを保つことはできると思う。
昨年の誕生日は、七五岳(1488m)の山頂で過ごした。今年ははるかに高い永田岳(1866m)に登ることができた。故障さえしなければ、挑戦は続けられる。
来年も来るぞ、屋久島に。