急ぎすぎへの反省

今日は51歳の誕生日である。昨年は、屋久島の七五岳頂上で誕生日を迎えた。今年は永田岳の山頂で、と思っていたが、屋久島は今日も雨である。朝は降っていなかったが、無理をしないことにして、今日も調査を中止した。案の定、午後から豪雨になった。
「翁」の誕生日らしく、温泉にでも行こうと、チームメイトに勧められ、朝9時すぎから尾の間温泉につかってきた。その後、論文審査を済ませ、午後からは大学院生の論文原稿を読んでいる。外は豪雨だが、気持ちの上では、おだやかな一日を過ごしている。
ちなみに、屋久島の植物調査チームでは、私は「翁」(おきな)と呼ばれている。昨年の七五岳登山のときに、竹取物語の最後に、「齢(よわい)五十なる翁」とあり、これを読んでショックだったという話をしたのが、このニックネームのいわれである。
「翁」の誕生日らしく温泉に・・・と言われると、ちと悔しくはあるが、のんびりするのは悪いことではない。私の日常は、忙しすぎる。もうすこしゆとりをもって日々を過ごすほうが、考えが深くなって良いと思う。というわけで、今年の目標は、「これまでよりは」スローライフをめざすことにしよう。
「急ぎすぎ」は、日本中にある。論文原稿を読むかたわら、気分転換に見たブログを通じて、「今少し躊躇うこと、立ち止まること」というブログを知った。「京都にすむ管理人」さんは、尼崎での列車脱線事故の報道について疑問を投げかけ、「少しの遅れも許さない社会」の問題点を指摘されている。私も、JR西日本の管理責任を免罪するつもりはないが、「もう少し躊躇ったり、立ち止まるということはできないものか」というご意見に、共感する。