ソウル訪問記:水冷麺とアシタカ聶記

4月25日に横浜国大(11時〜)と環境省(夜7時〜)でプロジェクトの打ち合わせをしたあと、26日にはソウルに飛び、9月にチェジュ島で開催されるIUCNの世界保全会議(WCC)での、AP-BON強化提案に関する打ち合わせ会に出た。
WCC準備室は、ソウル市庁舎に近い市内の一等地にあった。借り切られたビルのワンフロアに、20人以上の準備スタッフが働いていらっしゃる。打ち合わせ会には、保全分野で指導的な韓国の大学スタッフに加え、IUCNアジアオフィス(バンコク)所長のマイケル・ダウハーティさんや、ネパールの野生動物監視グループ(WWG)議長のマンガル・シャクヤさんが招かれており、活発な議論から韓国の関係者の意気込みが伝わってきた。
夜は関係者でブルゴギを食べ、最後にムルレンミョン(水冷麺)をご馳走になった。ムルレンミョンを食べたのは初めて。北朝鮮ピョンヤン)でお祝いに使う料理だそうだ。独特のスープに独特の麺。これは素敵な料理だ。調べてみると、麺はそば粉に緑豆粉を混ぜてつくるそうだ。スープは牛肉ベースだが、冷たくても独特の風味があり、きっと辛くないキムチ(伝統的なキムチ)を使っているのだろうと想像した。この読みは当たっていた。トンチミと呼ばれる大根のキムチを加えるのがポイントのようだ。さらに、ナシの千切りを加えるのもポイント。牛肉のだしにキムチの旨みとナシの酸味がブレンドされて、とてもユニークな味わい。
もういちど食べてみたいものだと思って帰国した。27日は1時から学術会議環境科学委員会のIGBP/IHDP/DIVERSITAS合同分科会に出た後、植物分類学会絶滅危惧植物専門委員会に移動して、レッドリスト見直しの最終判定作業に加わった。そのあと、岐阜大のKさんらと上野の韓国料理店に出かけたところ、なんとムルレンミョン(水冷麺)がメニューにあった。早速注文し、Kさんらと舌鼓みを打った。
韓国からの帰国便(大韓航空便)の機内では、BGMで「アシタカ聶記(せっき)」(もののけ姫の挿入曲)が流れていてびっくり。この曲は、宮崎アニメに久石譲がつけた数々の名曲の中でも、特に好きな曲だ。幽玄な森、不気味な静寂、やがて視界に開ける雄大な自然、その中でひとりたたずむときの寂寞感、そういうものが見事に表現された曲だと思う。まさか大韓航空の機内BGMに使われているとは予想しなかった。
ちなみに、トトロの「風のとおり道」、千尋の「いのちの名前」も好きな曲です。