Possingham博士来訪

12日には、オーストラリア・クイーンズランド大学のHugh Possingham博士が九大を訪問してくださったので、グローバルCOE国際セミナーを開き、大学院生2名にも話してもらった。
Possingham博士は数理生物学者である。私が彼の仕事を最初に参照したのは、大橋君と一緒にポリネーションの仕事をしたときだ。Possingham博士は、ポリネータが花蜜を吸ったあと、花が蜜を分泌することによって蜜量が回復していく過程を研究し、ある時間断面で花蜜量がどのように分布するかについて、確率密度関数を用いた精密なモデルを発表されている。
最近では、保全生物学分野で、Possingham博士の論文をよく見かけるようになった。

によれば、Environmental Decisionに関するCOEを率い、その所長をつとめられている。
12日のセミナーで初めて博士の保全生物学研究のビジョンを体系的に知った。要するに、最適化の手法で、さまざまな環境問題(とくに生物多様性保全)における政策決定を数理的に研究されている。お金という資源は有限なので、それをどう使うかという問題は、最適化問題である。この観点で、あらゆる環境問題における意思決定を扱おうというのが、彼の立場である。
セミナーでは、以下の問題をこの観点から研究した成果を紹介していただいた。

  • How should we allocate money between threatened species?
  • Building the world’s marine reserve; the minimum set problem
  • Decision science tools for assisted colonization
  • Managing the East Asian Flyway

コメントはまたあとで。今日はこれから上京して、会議に出る。