不健康な野外実習

霧島国立公園えびの高原内で、3年生を相手に野外実習中。4日から11日までの長丁場である。今年は天気にも恵まれ、順調にスケジュールを消化している。
野外実習では、通常は体を動かし、しっかり睡眠をとる。しかし、今年の実習には締め切りが迫った仕事をいくつもかかえてきてしまった。土・日の夜と早朝は、「組織的若手研究者派遣プログラム」の申請書執筆に時間を割いた。民主党は、自民党がばらまいた補正予算による基金を凍結すると言っているので、このプログラムも実施されるのかどうか、見通しがはっきりしない。しかし、若手研究者に長期海外のチャンスを提供するプログラムなので、ばらまき予算の使い方として、筋は悪くないと思う。このようなプログラムが公募されたときに申請するのは、それなりの立場を得た者の責任だろうと思っている。
昨日から、ツクシアザミに訪問するトラマルハナバチを観察する小グループ実習を担当している。以前はあまり操作を加えずに観察していたのだが、一昨年に紙コップに頭花を挿しておいても訪問してくれることがわかり、それ以後、実験集団(頭花を挿した紙コップをならべたもの)を使った実習を行っている。捕まえて、麻酔して、ペイントマーカーでマークするという「拷問」をしても、トラマルハナバチはけなげに戻ってきて、紙コップに差された頭花を訪問してくれる。野外観察の材料としてこれほど扱いやすい昆虫はいない。今日は、花粉がよく出ている両性状態の頭花と、雌性期の頭花への、トラマルハナバチの選好性を調べた。
データはしっかりとれるし、実習のテーマとしては申し分ないのだが、椅子にすわって、地面に置いた紙コップに訪問するトラマルハナバチを観察するだけなので、観察者の運動量はすこぶる小さい。この実習を担当したあと、山に登ってきたチームと同じ量の夕食をとると、太る。
4日目にして、腹の脂肪が明らかに厚くなってきた。就寝前の腹筋が苦しい。そこで、今朝は朝食を控えめにとった。すると、10時ころからとてもおなかがすいて、結局、果物の間食をとってしまった。今夜の夕食は、控えめにしよう。
11日の研究会のパワーポイント作成が終わり、次の仕事にかかろうとしたところ、猛烈に睡魔がおそってきた。6時の夕食までまだ30分ほどあるので、久々にブログを更新することにした次第。
http://seibutsu.biology.kyushu-u.ac.jp/~yahara/schedule/schedule2009nen9.htm
のとおり、スケジュールに空きがないので、えびの高原滞在中にできるだけ急ぎの仕事を片付けておきたい。
なお、17日に予定が書き込まれていないため、いろいろな依頼を受けているが、この日は私用で年休をとる予定。詳しくはもうしあげられないが、9−10月は何日か年休をとることになる。私の健康に関することではないので、ご心配なく。