理学研究院長予選候補者としての所信

昨日のブログを見て、何人かの方が、いったい何があったのだろうと心配してくださったようだ。
約2000字で以下のような所信を書く立場に立たされてしまった。

野外調査から日曜日に研究室に戻り、メールを見て予選候補者のひとりに選ばれたことを知り、驚きました。予選当日は、日本学術振興会の会議に出席のため上京していましたので、結果を知るのが遅れました。私はまだ、野外に出て自分でデータをとり、研究者として現役でいたいと思っています。そのため、正直にもうしあげて、研究院長にはなりたくありません。
とはいえ、所信を書くことは、私に投票をしてくださった方々に対する義務だろうとも思います。このように考えてしまう自分がうらめしくもありますが、日ごろから考えていることを記して、所信とさせていだきます。
法人化以後、大学では非創造的な仕事が増えていると感じています。一例をあげれば、(中略)
私は、二言目には「競争」を叫ぶ昨今の風潮に嫌気がさしています。(中略)
新しいニーズに対しては、きちんと人材に投資をして、実行可能な体制をとるべきです。そうしなければ、教員はますます忙しくなり、結果として教育研究に十分な時間を割けなくなります。
調査に同行した大学院生に、指導教官としての私の欠点は何かと聞いてみました。すると、「忙しすぎることだ」という返事が返ってきました。これ以上忙しくなって、大学院生を指導する時間がますます減ってしまわないように願っています。

5月1日に54歳の誕生日を迎え、今後少なくとも6年間は現役でいようと決意を新たにしたばかりである。
予選一位の方が現職なので、今回は心配していないが、研究者としての将来に不安を感じた。
明日は東京に日帰り出張。あさっては、5時限目の授業のあと、ジンリョウユリの調査のために徳島に向かう予定。まだ今は、日程をやりくりして野外調査に出かけている。もしこれができなくなったら、私は元気に生きていけるかどうか、自信がない。