大島康行先生の思い出

一夜あけて、今日は土曜日。仕事が山積しているが、少し立ち止まって、いろいろなことに目配りする一日としたい。
今朝はまず、葬儀センターに連絡をとり、大島康行先生の葬儀にお供えする生花をたのんだ。
大島康行先生の論文は、学部学生時代に読んだ記憶がある。ササ群落の物質生産に関する論文である。当時、先輩がササの生態学的研究を始めたところであり、その先輩からこの論文を教えてもらった。当時の植物生態学の中心分野である、物質生産過程の研究がどんなものか、その片鱗に最初にふれたのが大島論文だった。
当時の私は、ササ類の分類や進化に興味があったので、物質生産過程の研究からササ類の進化についてどんな展望が開けるだろうかと考えながら読んだと思う。しかし、学部生の水準で、この問いへの答えが見つかるわけもなかった。
その後、長い時間が過ぎてから、大島先生といろいろな会議でご一緒する機会が多くなった。機会を見て、ササに関する話をしてみたいと思っていたが、その機会を永遠に逃してしまった。
大島先生の柔和な表情にもうお目にかかることができない。謹んでご冥福をお祈りしたい。