生態学会レポート

日本生態学会大阪大会も2日目を終了。懇親会→2次会を終えて、ホテルに戻り、洗濯をしたあと、フロントの前のインターネットブースで、このブログを書いている。
昨日の午前中は、シンポジウム講演の準備。一般講演もいくつか聞いた。昼前から、ポスター会場で、ポスター賞の審査。有力なポスターがいくつもあって、判断に迷った。結果として、私が推したポスターは選ばれなかったが、次点(候補の一つ)に考えたものが選ばれた。判定は、僅差だったと思う。選ばれなかった人も、気落ちせずに、次回をめざして頑張ってほしい。
昨日の午後は、私が企画したシンポジウム「有性生殖と種形成の生態学」。昨年の釧路大会では、保全関連の3つの企画に呼ばれ、基礎生態学のセッションにまったく出れなかったので、今年は自分で基礎分野のシンポを企画して、しゃべりたいことを話し、聞きたい話を聞いた。満足度は高かったな〜。保全の研究も大切だけど、ただ面白いだけの研究も大切にしたい。
ホテルに戻り、地下一階の温泉に直行したところ、湯けむりの中から、「3倍体と4倍体が・・・、有性生殖と無性生殖が・・・」という会話が聞こえた。午後のシンポの参加者が楽しそうに話をしていたので、私も仲間に加えてもらった。少し長話になって、しばらく湯につかったため、すっかり湯であがってしまった。
そのお二人から、「不機嫌なジーン」最終回の話を聞いた。私は、シンポジウムの講演者と「みぞれ酒」を飲んでいたので、最終回は見なかった。湯船の二人は、テレビのある店で、「ジーン」を見ながら飲んでいたそうな。ジン子は自立した研究者をめざし、南原教授の涙で、最終回は終わったらしい。結局、「ジーン」はジン子が成長して自立する物語だったわけだ。「不機嫌なジーン」を見て、この道に進んだという女性大学院生に、そのうち会える日が来るだろうな。評価が分かれるドラマだと思う。私は、大森美香さんのチャレンジに、エールを送りたい。
今日の午前中は、「自然再生事業指針(案)」に関する「フォーラム」。ほとんど宣伝をする余裕がなかったので、せいぜい50名程度の参加だろうという私の予想を裏切って、約140名の参加者があった。案の構成に沿って、参加者と一緒に議論をしたわけだが、建設的な意見が多くて、とても心強かった。会員ではない方から、「上層部だけで決めずに、オープンな議論を通じて指針を決めていくなんて、すごい学会ですね。参加者の意見も建設的で、感動しました」というありがたい意見を頂いた。今日の討論の結果を反映させた指針は、近日中に公開の予定。ご期待ください。
午後は、ポスターを見た後、受賞講演と総会。総会では、「フェチオンを使うな」という総会決議が採択された。日本生態学会大会決議としては初めて、化学物質の毒性の問題をとりあげた。一つの転換点かもしれない。エコトキシコロジーは、とても大切な分野だと思うが、生態学会ではまだまだマイナーである。この分野の研究が、学会の中で、もっとメジャーになってほしい。
夜は、懇親会。繁華街の宴会場での開催は、これまた生態学会大会としては初めての試み。参加券の番号で円卓に割り振られたので、面識のない人と同席して、交流できた。その同席者も含め、いろいろな方から、「忙しいのによくブログが書けますね」「ブログを続けるエネルギーは、どこから出てくるんですか」というコメントをいただいた。当人としては、息抜きに書いているだけなのだが・・・。今日のブログも、地下1階の温泉に行く前の、酔い覚まし。ほどよく酔いもさめたので、さぁ、温泉だ。