気分転換に竹切り

今日はAO入試の面接。午後までと勘違いしていたので、思いがけず、時間ができた。仕事は山積しているが、たまには気分転換が必要だ。車を飛ばして、新キャンパスの生物多様性保全ゾーンに出かけ、1時間ほど竹切りをしてきた。

新キャンパス用地は、もとはみかん園が多かった。移転用地に設定され、福岡市土地開発公社が買い取りをはじめて以後、みかん園跡地に急速にモウソウチクが広がった。さらに、竹が二次林にも進入し、二次林を次々に枯らしていった。私が1998年に始めて新キャンパスに足を踏み入れたときには、まとまった常緑林は、尾根筋にかろうじて残っているという状態だった。尾根筋の常緑林にたどりつくために、密生した竹林内の倒れた竹をまたいで、竹の落ち葉だけが散りつもった、乾いた斜面をのぼったのを覚えている。

新キャンパス用地の中で、一番大きな谷部が残されることになり、いつしか「生物多様性保全ゾーン」と呼ばれるようになった。このゾーンに残された森林を守り、さらに、竹林を樹林に換えていくために、ボランティアの協力を得て、竹の伐採作業を続けている(「九州大学新キャンパス生物多様性保全事業」のページを参照)

今日は、ボランティアで竹を切った場所で、後から伸びてきた竹を切った。もう3年間切り続けているが、まだ伸びてくる。たくましい。

竹を切っていると、通称「おむすび池」に散水車のトラックがやってきて、ホースを池に投げ込み、水をとりはじめた。ちょっと待て、「おむすび池」には、メダカも水生昆虫もいて、保護しているのだ。急いで斜面をかけおりて、事情を聞いたら、下請け業者のおじさんが勝手にやっていることがわかった。1日3回とっていたという。見ると、池の水がかなり減っている。

工事中は、このようなトラブルが続発する。生物多様性保全ゾーンに関しては、すべての工事が終わり、もう大丈夫だと思っていたが、やはりまだ安心できない。

さらに、今年の10月には、工学部の学生2100名が移転し、新キャンパスで授業を受ける。少人数ゼミの学生の情報によると、生物多様性保全ゾーンで「キャンプをしたい」とか「釣りをしたい」と言っている学生がいるそうだ。10月までには保全緑地の利用規則をつくる必要がある。また、保全緑地の利用法についてのガイダンスや、利用者への啓発をかねた日常的なサポートが必要だ。