腹が北山でも胸には一物

これから人間ドック消化器コースで大腸の検査を受ける。その準備にほぼ2時間かけて、腹に一物もない状態になった。しかし、腹に何も入っていなくても、心中滅却というわけにはいかないものだ。あれこれと考えごとをしながら、検査を待っている。
昨日で、グローバルCOE「アジア保全生態学」特任スタッフの国内応募をしめきった。審査票を準備して審査員に送り、一次選考を開始した。大変良い候補に恵まれたと思う。応募してくださった方々には、この場を借りてお礼もうしあげる。
多くの優れた候補者がいるにもかかわらず、採用できる人数が限られているのは残念だ。就職の厳しさをあらためて感じる。このような状況の中で、グローバルCOEで毎年30名程度の博士課程修了者(学位取得者)を育てようとしている。グローバルCOEの審査では、キャリアモデル・キャリアパスの提案が重要視されるが、それも納得のいく話ではある。
しかし一方で、キャリアモデル・キャリアパスを具体的に設定し、それに応じたコースワークをしっかり準備し、特任スタッフを雇用して行き届いた教育をすることで、果たして既成の枠を突破できる骨太の人材が育つだろうか、という疑問もわく。
申請書やヒアリングで公約したコースワークはもちろん責任を持ってやるが、それに加えて、コースをはみ出す野蛮な突進力を持った若手を育てる工夫が必要だと思っている。
若手研究者が小さくまとまってしまっては、その分野の未来はないと思うのだ。
論文を書いてやるからカナリア諸島タスマニアに行く旅費を出せという院生がいたら、まじめに考えようと思う。