生態学会福岡大会への展示・広告依頼

今日は、懸案になっていた表記の仕事にようやく着手した。もっと早く依頼を出すつもりだったが、週3-4回の授業をかかえている間は時間がとれず、とうとう年末になってしまった。
こんな仕事までかかえこまずに、誰かに頼めば良いじゃないかと言われそうである。しかし、何冊か本を書いて、出版社にお世話になっている身である。誰かに頼んで、紙切れ(依頼書)を送って、広告を頂戴、というのはどうも気が引ける。
福岡大会は赤字必至なので、展示料金を値上げせよという意見もあった。しかし、書籍展示はさほど儲かる仕事ではない。たとえば3000円の本が100冊売れたとして、売り上げは30万円。「これ論」のような大ヒット作があれば別だが、生態学の教科書・普及書を出している出版社の売り上げはこんなものではないだろうか。一方、東京ー福岡の航空券は約6万円で、宿泊費も入れると一人あたり10万円は旅費にかかる。一人だと常時売り場にいなければならない。学会での渉外業務を考え、二人で出張すると20万円だ。書籍の運送費もかかる。これでさらに展示料金を5万円もとられたら、赤字だろう。
結局、展示料金は松山大会と同額に据え置いた。
その代わり、講演要旨集に広告をお願いしている。多くの出版社では、広告を担当する部署と、販売を担当する部署は別である。販売の方は、赤字は出せない。しかし、広告は別会計なのだ。販売とは別に、広告をお願いするほうが、企業としては協力しやすい。
このような事情は、出版社と関わった経験がないと、なかなかわからない。そこで経験を持った者が、・・・などと考えているうちに、年末になってしまった。
相手によって少しずつ文章を変えながら、30通近いメールを送った。
また、見ず知らずの者からの依頼より、著者の紹介で依頼をするほうが、協力を得やすいことは言うまでもない。そこで、編集者や担当者を紹介してほしいというメールを学会関係者や知人に送った。
年末・年始には、いろいろな出版社の新刊を読んで、このブログで紹介しようかと思う。毎日1000人以上の人が見る媒体なので、広告としてはそれなりの効果があるだろう。
アマゾンをチェックしていたら、「花の性」の中古品が売られていた。残念ながら、「花の性」は版元に本がなくなり、再版の予定もない。つまり、絶版なのだ。
中古品であれ、読みたいと思う読者が購入できるのはありがたい。しかし、中古品が出回っているために、出版社としては再版できない(高い値段で再版しても売れない)。痛し痒しである。
これから生態学会大会に向けて、かなりの数の新刊が出る。関連の出版社は、福岡大会に照準を定めて、新刊を出す準備をしていることだろう。
このブログで、新刊情報をできるだけとりあげていこうと思う。読者の方々、とくに生態学会会員の方々には、ぜひ新刊をご購入いただきたい。本の出版は、購入者がいてはじめて成り立つ事業である。
本日入手した情報によれば、京都大学学術出版会では、2008-2009年にかけて群集生態学シリーズ全6巻を刊行する予定である。群集生態学はこれから大きく発展する分野なので、内容が楽しみだ。ひょっとして、私がレビューした章は、このシリーズの原稿だったのだろうか。