「願わくば」と「願わくは」

「願わくば」は本来誤用ではないか、というご指摘をいただきました。
本来、「願わくは」であることは、承知しております。
さいころ、協会の日曜学校に通っていたことがあり、
「天にましますわれらの父よ ねがわくは みなをあがめさせたまえ みくにをきたらせたまえ みこころの天になるごとく 地にもなさせたまえ」
というお祈りは、いまでも暗唱できるのですよ。
その日曜学校の帰りに、クスノキの並木ではクスサンの幼虫を蹴散らし、小川ではアメリカザリガニを大量殺戮する、信仰心のかけらもない子供でしたが。
私が「願わくば」という表現を使ったのは、お祈りの表現を無意識のうちに避けたためかもしれません。
葉桜日記さんの記事:
「願わくは」と「願わくば」
によれば、広辞苑に、「江戸時代ごろからネガワクバともいうようになった」と書いてあるそうです。
Google検索をして、葉桜日記さんの2004年の記事以後の変遷をみると、「願わくは」ヒット数は13300件から22800件への増加にとどまっていますが、一方の「願わくば」は60700件から1140000件に増えており、もはや「願わくば」が圧勝ですね。
とはいえ、言葉の歴史を尊重し、古い表現まで言い換えることがないようにしたいものです。

  • 願わくは 花のもとにて 春死なむ その如月の 望月のころ (西行法師)