ファン・シー・パン:インドシナ最高峰に登ってみたい

気がつけば、1月も下旬。正月が遠い昔のようだ。
今年の正月は、血圧を下げるべく、休養をとっていたので、考えて見ればまだ、新年の抱負を書いていなかった。遅ればせながら、今日は新年らしく、夢のある計画を書いておこう。
屋久島の植物分布を調べているうちに、大学院時代にタイの山地カシ林を歩いた記憶がよみがえってきて、インドシナの山地カシ林と日本の照葉樹林の比較研究をしてみたいと思うようになった。すぐに思い浮かぶのは、タイ北部のドイ・インタノンである。亜熱帯林から頂上(2565m)までの垂直分布が観察できる。頂上は鬱蒼とした雲霧林に覆われている。大学院生当時、ミズ属の新種を見つけたが、記載しないまま、四半世紀が経ってしまった。
ドイ・インタノンについてはその後、神崎護さんを中心とするチームが標高1700mの山地カシ林に15ヘクタールの大規模調査区を設定されており、日本の照葉樹林との比較研究が進んでいる。しかし、垂直分布は調査されていないし、系統を考慮に入れた研究はまだ行なわれていない。研究の基礎ができているドイ・インタノンは、その意味では魅力的だが、フロンティアとしての魅力はいまや失われている。
その点、北ベトナムにあるファン・シー・パンには、生態学者も分類学者も、まだ本格的な調査をしていない。まさに、手つかずのフィールドだ。
ファン・シー・パンの頂上は、3143m。インドシナ最高峰である。最近では、麓のサパから登山ルートができていると聞いて、ネット情報を調べて見た。すると、かなりたくさんの情報が得られた。
番役立ったのは、「ファンシーパン登頂記」。登山路の様子が、写真入りで紹介されている。
屋久島を思わせる林内・登山路の写真をみて、「ウォー、行きたい」と心の中で叫んでしまった。
また、サパからファン・シー・パンの頂上までの地形図も、見つけた。
この地図を見る限り、屋久島の頂上部まで海岸から登るよりは楽そうだ。このファン・シー・パンで、屋久島でやったようなトランセクト調査をしたら、楽しいだろうな。
というわけで、今年の夢は、「ファン・シー・パン」に行きたい!