TV朝日の屋久島番組

今朝、屋久島の宿でメールをチェックしたところ、TV朝日のニュース番組「スーパーモーニング」で、9時から屋久島のシカ問題を報道するという連絡が飛び込んだ。昨夜、Aさんから、取材を受けたという話を聞いたばかりだ。
私も九大の研究室で電話取材を受けたが、5月2日のブログ(http://d.hatena.ne.jp/yahara/20060502)で書いたように、「準備不足ではないか」と申し上げて、お引き取りねがった。
空港についてから自宅に電話して予約を頼み、コーヒーを飲んで、メールをチェックしてから、搭乗。すると、搭乗待合室のテレビで、ちょうど、その番組を放映していた。9時15分から5分ほど見て、待合室を出て、機内へ。肝心のシカに関する部分は見なかったが、見た範囲の印象は、あの取材にして、この番組あり、というものだった。
科学にも、その普及にも、合意形成にも、寄与するところは無いように思う。むなしい。

鹿児島に着いてから、県庁にタクシーを飛ばし、生活環境部環境保護課と林務水産部森林整備課に足を運び、30-31日の現地報告会の趣旨を説明した。どちらの課でも、TV朝日の報道が話題になった。行政としては、迷惑顔だった。そりゃ、そうだろう。
マスコミは、行政の味方をする必要はないし、市民の味方である必要もない。もちろん、研究者の味方をしなくても良い。
しかし、問題の一面だけとりあげて、煽るのはいかがなものか。影響力さえ行使できれば良いのだろうか?

移動の途中に、ジョナサン・ワイリー『命の番人』(早川書房 ISBN:4152087226)を読んでいる。徹底して調べ、徹底して考えぬいたうえで、丁寧に書かれたドキュメンタリーが胸を打つ。心が洗われる。日本のマスコミにも、こういう誠実さがほしい。