恩師との再会

3時過ぎから、堀田満さんを訪ねた。
知人に聞いた電話番号が違っていたので、鹿児島市唐湊4−6−18 西南日本植物情報研究所、という住所を手がかりに、仕事場を探し当てた。
大病をされて、鹿児島県立大学学長を退かれ、今は私設の研究所で、仕事に専念されている。
研究所は、文献・ファイル・標本であふれかえっていた。吉田キャンパス(京大教養部)時代に見た蔵書の山が、そっくり研究所の書架に納まっている。いや、そのころから比べれば、本の量は少なくとも倍増しているだろう。
本の野生植物の映像データベースの仕事、有用植物データベース(いわゆる堀田ファイル)の仕事の現状を拝見させていただいた。
また、『植物の分布と分化』復刻計画の進捗状況を尋ねたところ、章ごとのファイルに加え、新たに集められた分布図のファイル類の片鱗を見せていただいた。しかし、分子系統地理学の分野での最新の研究を綿密にレビューしようとすれば、復刻はかなわないだろう。その点はご本人も承知されていて、最小限の修正で復刻したいという意思を持たれていた。それでも、最新の知見を調べたくなるのが、研究者の性である。現実的な判断をして、早期の復刻が実現するようにお願いをした。
3時間あまり、研究所で話したあと、「如月」に場所を移して、さらに9時半ころまで、植物談義に花を咲かせた。「鹿児島では植物の話ができる人がいなくて・・・」と言って、話につきあっていただけるのは、弟子冥利につきる。こちらも、堀田さんと植物の話をしていると時間を忘れる。
大病から生還して間もない人を相手に、焼酎を酌み交わして、長話をしてしまった。