怪人カマドキャシ

秋田県にクロヒメシライトウソウを見に出かけたときのこと。新潟県から秋田県に入ると、海岸沿いを走る国道に、見かけない交通標語がかかれたのぼりが、延々とはためいていた。
「飲酒運転、どんと一発、かまどきゃし」
「飲酒運転、どんと一発」まではわかる。問題は、「かまどきゃし」。一日中考えても、意味がわからん。日本語には違いないし、「飲酒運転、どんと一発」を受けた言葉だから、意味は限られてくる。しかし、考えても、考えても、わからない。
きっと、土地の人なら誰でもわかって、飲酒運転をすると大変なことになるという意味が、標準語表現以上に伝わるのだろう。それは理解できても、具体的な意味がわからない。
その後、機会あるごとにこの疑問を口にしていたところ、東北出身の東大職員の方から、真相を教えていただいた。いやはや、わかってみると、すごい言葉なのだ。
「かまどきゃし」・・・そう言われるだけで、秋田に育った人なら、ずしんと心にこたえるのだ。言葉の強さとしては「人でなし」に近いが、土地の方にとっては、きっともっと強い響きを持つ言葉だろう。
さて、その「かまどきゃし」という言葉に、ひさびさに遭遇した。
ことの起こりは、今日の毎日新聞の書評。
ローカルヒーロー大図鑑」なる、アホな本が、堂々と書評欄に登場していた。
環境創造舎S舎長の紙芝居「元岡里山物語」に登場する、酒蔵戦隊ノメルンジャーのことを思い浮かべながら、書評を読んだ。私は確か、ノメルブルーハワイだったっけ・・・(単なる、紙芝居のうえでの話です)。
そんな話が発端になり、めぐりめぐって、「超神ネイガー」なるものの情報が届いた。なんと、「はてな」にも解説されている、有名なローカルヒーローのようだ。
その「超神ネイガー」の宿敵、秋田の悪の組合長「セヤミコギ」ひきいるホジナシ怪人の一人に、「怪人カマドキャシ」がいるそうだ。これも、「はてな」に解説されている。ホジナシ怪人の中でもっとも恐ろしいキャラだそうだ。『おめがッ泣ぐまでカマドをキャスごどをやめねぇッ!』と叫ぶというから、確かに、地元の子供たちには恐い存在かもしれない。
ちなみに、ホジナシ怪人は、元気なわらしコをカメムシに変えようとしていらしい。カメムシって、そんなに嫌かね。キンカメムシマニアの子供なら、喜んで、カメムシにされるかも。
ローカルヒーロー大図鑑」、売れるんやろなぁ。「ユスリカ図鑑」よりは売れるだろう。
私は、「札幌の昆虫」の方を買うことにしよう。