ゲド戦記予告編を見た

月曜・木曜・金曜(今日)と、3つの研究報告書を提出し、ようやく年度末が終わった感じ。科研費最終年度の報告書が残っているが、こちらは5月下旬がしめきりである。これから、すでに草稿段階にある共著論文3本を仕上げて、それを束ねれば良い。これは生産的な仕事だ。
少し気持ちにゆとりが出て、食事の支度の合間に、ひさしぶりにゲド戦記監督日誌を訪問すると、ゲド戦記予告編の配信がちょうど今日から始まっていた。
宮崎吾郎新監督が、「女神をつかまえた!」と絶賛した新人歌手、手嶌葵が挿入歌「テルーの唄」を歌っている。この声は良い。透明感があり、少しかすれた声なので、重みも感じられる。「こんなにも素晴らしい声を持った彼女に出会えたことは、運命の出会い、としか言いようがありません」と新監督が絶賛するだけのことはある。
音楽も良い。子守唄風の、とても覚えやすいメロディラインである。誰の作曲かと思えば、谷山浩子。新監督の世代なら、なじみの歌手だ。
予告編前半の音楽は、手嶌葵の歌声だけ。彼女の天性の声をたっぷり聞かせようという構成である。この狙いは、当たっている。
宮崎駿の名作を支えたのは、久石サウンドゲド戦記の音楽が、久石譲ではないと聞いて、音楽に不安を抱いていたが、これなら大丈夫そうだ。
歌詞は、なんとなく朔太郎風、と思ったら、「萩原朔太郎の詩「こころ」にインスパイアされた吾朗監督が作詞」したそうな。かなり類似度が高いような気もするが、画面ともメロディとも良くあっている。
画面は、まったくもって、いつものジブリ。ここまで親を真似られるかと思うくらい、似ている。しかし、一卵性双生児くらいは違う。そこが結構、新鮮である。良いのではないか。往年の宮崎ファンの期待は裏切らない出来栄えだ。
予告編には、「シュナの旅」を思い出させるシーンがある。
いや、そもそも「シュナの旅」のストーリーが、ゲド戦記第3巻の影響の下で作られたのだろう。「神の土地」は、「死の国」に通じている。
原作では、「死の国」で力つきたゲドをテナーが癒すのだが、アニメでは傷ついたアレンをテルーが救うのかもしれない。