植物の事典

今日は、早起きして出勤した。終電近くまで仕事をする生活から、早寝早起き型の生活に切り替えたほうが良いことはわかっているのだが、なかなか実行できない。決意が足りないのだろう。
岡崎生物学コンファレンス「絶滅の生物学」のアレンジは大詰め。登録用のウェブサイトも開設までこぎつけた。海外からの招待参加者に登録や航空券の手配などに関する連絡を済ませた。まだ返事の遅い数名への対応が残っているものの、大きな山は越えた。この分野で、世界をリードしている研究者が集まる会議となる。楽しみである。
朝倉書店『植物の事典』の編集委員を引き受けた。「植物の生活」の部分を担当する。昨日までに、中項目の担当をお願いした方々全員から、協力しますという返事をいただいた。ありがたい。お忙しい方々に仕事をお願いするのは心が痛むが、高校などで広く使われる事典になると思うので、できるだけ良いものを作りたい。
この事典でとりあげる項目については、ウェブ上でもかなりの情報が得られる。しかし、玉石混淆である。ウェブ上で得られる情報は、必ずしも体系的ではない。
事典の役割は、正確な情報を体系的に紹介することだろう。わかりやすい紹介のためには、ストーリー性も必要だ。朝倉書店『植物の事典』では、小項目に1ページを割くと聞いているので、ある程度まとまった解説が書ける。
このような情報は、インターネットでも得られるようにしたいものだが、しかし、信頼のおける知識が、しかるべき対価なく流通してしまうことは、知的生産への打撃になる。
現在、日本の出版社は、大きな危機に直面している。このままでは、良質の専門書の出版は、大学出版会でしか担当できない時代がくるかもしれない。
朝倉書店の『事典』は、まだ紙媒体の『事典』に、比較的確実な売れ行きが期待できるという判断から企画されたものだと思うが、この状況がいつまで続くだろう。
知的生産活動は、大きな時代の曲がり角に立っていると思う。