オーバー・ポスドク問題についての情報

文部科学省の調査によれば、2004年度のポスドクは1万2500人に達したそうだ。2003年度は約1万200人だったので、1年間で約2300人も増えていることになる。年齢別では約8%が40歳以上で“高齢化”が進んでいる。
「寄生虫ひとりがたり」5月2日の記事で知った。
オーバー・ポスドク問題の深刻化は「ポストドクター等1万人支援計画」がスタートした時点で、予見されたことである。この問題については、文部科学省の「科学技術・学術審議会人材委員会」というところで議論された経緯がある。平成14年12月4日に開かれた第13回議事概要が今でもネットで見れる。
この計画の背景には、ゲノムプロジェクトやタンパク質3000などの国家プロジェクト推進のために研究者が必要だが、新たなポストは増やせないという事情があった。プロジェクトの担い手を確保するには、ポスドクに頼る以外に道はなかったのである。この事情については、2002年のNatureの記事ですでに喝破されている。