地震の朝

今日は、朝早く、地震に起こされた。大きなタンスのそばで寝ていたので、目を覚ますや、とっさにタンスを押さえてしまった。幸い、タンスを含めて、倒れたものはなかったが、恐怖感を感じるほど十分に強い揺れだった。その後も小刻みに余震が続いた。
ニュースで地下鉄が運行を停止していると知ったが10時に来客の予定がある。大学に電話をしてみたが、電話は不通である。
幸い、早朝に激しく降っていた雨はあがり、歩けそうだ。8時すぎに、意を決して、大学まで歩くことにした。一応、早良区役所下のバスセンターに立ち寄ってみたが、バス乗り場には長蛇の列が続いている。道路を見れば、車は遅々として進んでいない。タクシーをひろっても、しばらくの間は歩く速度と大差なさそうだった。
ガス会社の「救急車」がサイレンを鳴らしながら走っていた。「救急車」のために、車が道を開けている。こういう非常時は、できるだけ自家用車を使わないほうが良いと感じた。「救急車」など、本当に急ぐ車が、優先して道路を使えるようにすべきだ。
歩いていると、漏れたガスが匂う場所もあった。そういう中で、くわえタバコで歩いている人を見ると、あまりの無神経さに、あきれる。
バスを何台も追い越したが、どのバスにもぎっしりと乗客が乗っている。混み合った乗客の中で立っているお年寄りの姿が痛々しい。藤崎から天神までなら、ゆっくり歩いても1時間だ。足に不自由のない人は、歩こうじゃないか。バスは、足の不自由な人やお年寄りに使ってもらおう。
そんなことを考えながら、のんびりと歩いた。雨上がりの大濠公園の新緑が、とてもきれいだった。新緑をながめながらのんびり歩く機会など、なかなかない。少し得をした気分になれた。
天神で、地下鉄の運転が再開されたことを知ったが、どうせ混雑しているだろうと考えて、乗らなかった。後で知ったが、9時9分の余震で、再び運転を見合わせたそうだ。
大学まで、1時間50分あれば、歩いていけることがわかった。職場からこの程度の距離には、住んでいたいものである。