新聞の書評を読み比べ

出張先では、機内やホテルで新聞を読み比べできる。今朝は、毎日・朝日・読売・日経の4紙を読んだ。もちろん、全部の記事を読んだわけではない。全部は、too many to readだ。ちなみに、4紙のイニシャルをつづると、MANYになる。
今日は日曜日なので、書評欄についても読み比べた。一番面白かったのは、日経。

  • 「フード・ポリティクス」マリオン・ネスル(新潮社):米国の食品産業と政治のかかわりを記した本。「ファーストフードが世界を食らう」は記者が書いた本だったが、今回の著者は栄養学を専門とするニューヨーク大学教授。違った角度でファーストフード問題に迫っていることだろう。面白そうだ。
  • 「幸福の政治経済学」BSフライ&Aスタッツァー(ダイヤモンド社):所得で説明できない幸福の条件に迫った本だという。佐和隆光さんが監訳をされているから、中身は確かだろう。見逃せない。
  • 「確率と統計のパラドックス」スティーヴン・セン(青土社):買おうと思っていた本。書評者は、「人間的学問としての魅力紹介」と見出しをつけている。疫学研究者の本だが、経済分野の人にもアピールしているようだ。
  • 「パンダの死体はよみがえる」遠藤秀紀ちくま新書):これも、買う予定の本。「まるで推理小説を読むようなスリリングな思いと、謎を解く達成感を読者に経験させ・・・臨場感を覚えさせるのである」と紹介されている。解剖学の普及書としては、破格の賛辞を受けている。遠藤さん、よかったですね。

次は毎日新聞

  • 「歌で味わう日本の食べ物」塩田丸男白水社):古代の歌では「大根のようなお前のその腕」は女性への最大級の賛辞だったという話からはじめて、大根の文化史が記されているらしい。大根党の私としては、買わねばなるまい。大根以外の話題も楽しみだ。
  • ナショナルジオグラフィック日本版3月号」:「生態系を破壊する外来生物」の特集だという。なかなか時宜を得た特集だ。この特集をコラムでとりあげた毎日書評欄の姿勢も良い。侵略的外来種の問題について、冷静に議論するためには必読の一冊だろう。

今日の朝日・読売には、私の読書意欲をそそる本が紹介されていなかった。
注 :福岡に戻って、leeswijzerさんのdagboekを読むと、「今日の朝日新聞の書評欄は収穫がとりわけ多かった.・・・もちろん,例によって理系本はまったく見当たらないのだけれど(苦笑)」と書かれていた。本の趣味は人それぞれだなぁ。(21:05)