自然再生事業をめぐる意見の違いをどうまとめるか?

夜になり、ようやく、週末の「自然再生事業指針案」検討合宿の準備を開始した。20名ほどの専門家が集まって、合宿形式で議論をする。価値観もからむ問題だけに、どのような論点で意見が分かれるのか、どのような合意が可能なのか、まったく見通しが立たない。「指針案」を冒頭から終わりまで、順を追って議論しながら、意見が分かれるテーマが顕在化すれば、その時点で「グループ討論のテーマ」にリストし、議論を先送りする予定だ。これらのテーマについては、少人数のグループに分かれて討論し、合意点を探り、文章にまとめる。これが夜の作業になる。酒を飲んでも良いが、頭は夜中までしっかり使ってもらう。このグループ討論には、調整役がぜひとも必要だ。知識・経験・手腕を見込んで、5人にメールを送り、調整役を依頼した。夜のグループ討論で、改定案を作り、翌日に全体で議論する。これまで日本の学会で、このような方式で文書をまとめたことはないかもしれない。少なくとも、私が関係したことがある学会では、前例がない。「合意形成の科学」というものが、いま求められていると思う。その方向をめざした、一つの試みのつもりだ。