テレビ取材への疑問

テレビAの記者から電話があり、屋久島のシカの現状について聞きたいというので、しばらく取材に応じた。全国で野生動物がひきおこしている諸問題について取材をしているのだそうだ。
しかし、『世界遺産をシカが喰う』も読んでいらっしゃらなかったし、私のウェブサイトの関連ページもきちんとチェックされていなかった。取材に応じているうちに、安易に取材されている気がしてきて、口が重くなった。私の知識や時間に対する配慮が感じられない。
屋久島に取材に行きたいというので、30日に島の人たちと一緒に現地報告会をやり、議論をするので、そのときに取材されてはどうかとお勧めしたが、もっと早く行きたいとおっしゃる。
島の人を紹介してほしいと言われたが、「取材でひっかきまわしてほしくない。島での取材には誠意が必要だ。正直にもうしあげて、準備不足ではないか」と、やや強い口調で返事をさしあげて、お引き取りねがった。
私のウェブサイトには、屋久島研究ネットワークというページがあり、屋久島関係者へのリンク集もある。どうして、取材をする前に、これらの情報源を調べないのだろう。
シカ問題を全国規模で取材しているというのに、『世界遺産をシカが喰う』を知らないというのは、いくらなんでも勉強不足だ。この本は、シカ問題についての必読文献である。この本に書いてあることを、次々に質問された。
後味が悪い「取材」だった。