舟を編む、ももクロ5次元ライブ、わが大地のうた

先週は博士課程リーディング大学院プログラムの申請に全精力を傾けたので、今日はひさしぶりに休みをとりました。まず、ひさしぶりの映画。『舟を編む』は、三浦しをんの原作がとても良かったので、映画も楽しみにしていました。原作は、辞書の編集という地味な作業を題材に、文系オタク人間を主人公にした傑作。この小説が広く読まれ、賞をとるのは、日本ならではの現象でしょうね。日本人は、こういうコツコツとした作業が本当に好きなんだと思います。映画では、大渡海という国語の辞書編集に情熱を注ぐ主人公を、松田龍平が演じていますが、はまり役です。原作以上にオタク感があふれています。宮崎あおいが演じたヒロインの香具矢は、原作とはすこし雰囲気が違いますが、松田龍平のオタク感とつりあう女優を選ぶとなると、なかなか人選はむつかしいですね。良いキャスティングだったと思います。原作に登場したかどうか記憶にないのですが、監修者の松本先生の奥さんを演じた八千草薫さんの存在感はさすがです。登場シーンはわずかですが、印象に残りますね。辞書編集部先輩役のオダジョーも良かった。全体として地味なストーリーですが、存在感のある役者さんが演じているので退屈しませんでした。
録画しておいたももクロ5次元ライブ(NHKBSプレミアム放送)をようやく、全体を通して観ました。明るく前向きなエネルギーが充満していたクリスマスライブとは違って、オープニングは暗い雰囲気。ステージ上では、グレーの衣装を着たダンサーによるやや異形のダンス。やがて5人が元気に飛び出してきましたが、衣装は白で、トレードマークの5色は封印。また、最初の曲Neo Stargateはこれまでのももクロの楽曲とはかなり違ったトーンです。明らかに、これまでのももクロからの脱皮を宣言する歌になっています。紅白出場という目標を果たしたももクロの新たな挑戦なのでしょうが、ファンはとまどったでしょうね。その後も、本格的なラップ、はじめての三拍子の曲など、新たな挑戦がこれでもかと続き、新曲の数はなんと9曲。ライブツアーは3月でしたから、紅白以後のわずか3カ月足らずでこれだけの曲の歌と踊りを覚えて、ステージを作るのは大変だったでしょう。最初から最後まで仮面をつけて歌うというのも、アイドルのコンサートとしては異色。こんなにギアチェンジしなくても、人気は十分とれたはずですが、ももクロのスタッフは挑戦的ですね。最後の「灰とダイヤモンド」は、踊りがほとんどない、本格的なバラード。これを歌っているときの5人の表情は、大きな仕事をやりきったという充実感にあふれていて、とても良かったです。また歌詞にも曲にも、ももクロへの愛情がこめられているように感じました。
ももクロ5次元ライブで、黄色い声を聞き続けたので、もっと円熟した声が聞きたくなりました。木村弓「いつも何度でも」・・・この人の声は良いですね。ゆず「栄光のかけ橋」、いきものがかり「風が吹いている」・・・どちらもオリンピックソングですが、名曲です。声も好きです。
高石ともや&ナターシャセブン「わが大地のうた」・・・若い世代は知らないと思いますが、1970年代のフォークソングの名曲。Youtubeを検索したら、ありました。
https://www.youtube.com/watch?v=M6K6S-NmBEM
この歌がネットで聞けるとは。便利な時代になったものです。

カラマツ コメツガ 針葉樹林 カモシカ ツキノワグマ 走る稜線
そびえたち 連なる わが山々よ そびえたち 連なる わが山々よ
いくたびか 春をむかえ いくたびか 夏をすごし いくたびか 秋をむかえ
カキノキ 赤土畑 ひろがる水田
カワヤナギ 青い水 流れる河川
この土地に生きている 私の暮らし
わたしに流れる 人たちの歴史
わたしが歌う歌ではない あなたが歌ううたでもない
わが山々が私の歌 わが大地が私の歌

まさに「生物多様性の歌」ですよ。誰かカバーして歌ってくれないかな。