オドリコカグマ

昨日は、「政治がメルトダウンをおこしている」という話を事務の方にしたら結構受けたので、帰宅する電車の中で記事を書いたのだが、結構辛い記事になってしまった。口直しに、明るい話題。
福岡県植物レッドデータブック改訂版の原稿が大詰め段階。昨日の県庁での会議のために、日曜以来、原稿の改訂作業に時間を費やした。その過程で、「オドリコカグマ」のことが気になった。というのは、早良区藤崎の私の自宅(15年ほど前に購入)の小さな庭に生えているイシカグマ類似のシダを、「オドリコカグマ」ではないかと以前から疑っていたのだ。イシカグマにしては切れ込みが浅いのだ。しかし、私は「オドリコカグマ」という種の特徴を正確に知らなかったので、判断を先送りにしていた。市内の自宅の庭に絶滅危惧種があるというのも、にわかには信じ難かった。
今回、インターネットで検索してみたところ、
http://sigesplants.chicappa.jp/Microlepia_izupeninsulae.html
にオドリコカグマの特徴が写真つきで解説されていた。この写真・解説から判断して、私の庭のシダは、オドリコカグマである。また、
http://nopanoniwa.jp/fern/Dennstaedtiaceae/odorikokaguma.htm
に、福岡市東区で撮影されたオドリコカグマの写真が掲載されていることに気付いた。この写真の植物は、私の庭のシダ(下の写真)と、特徴がよく一致する。


福岡県では、天拝山で見つかったあと、ほとんど確認記録のない幻のシダだが、福岡市内低地の常緑林・林縁部を探せば、自生地がさらに見つかるかもしれない。しかし、自生地がほとんど開発されてしまっているものと思われる。
http://www.jpnrdb.com/search.php?mode=map&q=06010150169
によれば、佐賀・熊本・鹿児島では準絶滅危惧種とされている。他に、宮崎県・静岡県に分布するが、全国的に見て稀な植物である。