安倍首相の辞任

昨日、屋久島で、ヤクシカの餌場になっている町営牧場にいるとき、牛舎からのラジオ放送で突然の辞任を知った。さすがに驚いた。
今朝のテレビ番組で、いろいろな方の論評を聞いたが、いずれも私に納得のいくものではなかった。あまりの稚拙さや無責任さを批判する意見が多いが、私は違う感想を持った。
安倍首相は、おそらく(少なくとも軽度の)うつ状態だろう。眠れない状態だというし、目もうつろである。所信表明演説の原稿を読み飛ばしたことも、注意力が極度に低下している状態であることを物語っている。
うつ状態は病気であり、当然のことながら適切な治療が必要である。きまじめな人がかかりやすい病気だといわれることもあるが、詳細な研究にもかかわらず遺伝的な背景は確認されていない。神経伝達物質の量が不足した状態で、誰しもかかる可能性のある病気と言える。また、ストレスの多い現代社会において、うつ状態になる人が増えている。
うつ状態や、それに類似する状態にいたった人に暖かく対応することは、これからの社会に求められている重要な課題のひとつだ。
今回の事態に関する大きな責任は、事前に首相の状態を知り、辞意も伝え聞いていたという首相周辺にある。周辺が責任をもって、緊急入院をさせるべきだった。今回のような稚拙な対応を正常な状態で行う人なら、政治家として首相にえらばれることはなかっただろう。現在の首相は、自分を適切に制御できず、自分をとりまく事態に対して冷静で正確な判断をできる状態にはないのだと思う。
緊急入院のうえで首相代行をたて、病気になった人をいたわる社会が必要だと主張すれば、流れは大きく変わったに違いない。
首相の政治的主張には私には納得がいかないことが多いが、その問題とは別に、病的な状態にまで追い詰められた人を鞭打つ社会であってはならないと思う。
朝青龍に対する報道も、明らかに行き過ぎている。
私の判断が間違っている可能性もあるが、上記の可能性を誰も指摘せずに、責任追及一辺倒になっている報道は、私には心地よいものではなかった。