スイスからの招待:給与つき大学院生募集

4月からスイスのチューリッヒ大学に助教授(Assistant Professor)として着任し、進化機能ゲノム学の研究室を立ち上げる清水健太郎くんから、メールが届いた。嬉しい知らせである。

新研究室で大学院後期課程の学生を2人募集するそうだ。なんと、年間305万円の給与が支給される。高い学費を払わされ、「奨学金」と称する「教育ローン」を出しているどこかの国とは大違いである。

意欲・能力のある人は、どしどし応募してほしい。そして、清水くんのように海外でラボを持って、次の世代の研究者を育ててほしい。

日本の大学院後期課程の学生にとって、国内でポストにつける見通しはあまり明るくないのが現実だが、海外に目を向ければ、新たな可能性がある。日本に閉じこもらずに、国際的な視野で活躍する若手が増えることを願っている。

もちろん、国内の未来を明るくする努力は、精一杯やっています。

新研究室メンバー募集
(興味のありそうな学生の方などにもご周知いただければ幸いです)

研究室立ち上げにあたり、3年間の大学院後期課程に入学する学生を2人募集します。また、ポスドクや、日本の大学所属の大学院生の受入の態勢も整ってい ますので、まずkshimizu@ncsu.edu, tel: +1-919-515-5738までお問い合わせください。たとえば、スイスのポスドクは特例的に、海外学振に加えて特定国派遣研究者にも採用可能で す。日本からのご応募を歓迎します。

☆大学院後期課程☆
[応募資格]
修士課程修了(見込み)。学際的研究に意欲があること。分子遺伝学、生態学の野外調査、コンピュータによる統計遺伝学解析のうち、一つ以上について経験 があることが望ましいです(統計遺伝学については、シアトルやデンマークでの講習会など学ぶ機会があります)。植物研究の経験は問いません。

[給与]
年33,600スイスフラン以上(1スイスフラン90.8円として305万円)を3年間。
学費はほぼ免除です(250スイスフラン程度)。

[募集人数・研究開始時期]
2名(日本から0-2名)。2006年4月以降早い時期に研究を開始していただきます。システム上、入学はいつでも可能です。採用者が決まり次第応募を 締め切ります。

[応募書類]
応募前に一度kshimizu@ncsu.edu, tel: +1-919-515-5738まで詳細を問い合わせてください。応募書類は、志望動機、修士研究の目的と成果、履歴書、2通以上の推薦書です。

[言語]
研究では基本的に英語を使用します。初めのうちは、日本語(ドイツ語、フランス語)でもある程度まで研究可能ですが、英語を習得してください。

[研究内容と研究環境]
ゲノム情報を用いて、適応進化を解明することを目標としています。種分化、異質倍数体化、自殖と他殖、昆虫に対する防衛形質などをテーマとし、いわゆる ミクロ生物学とマクロ生物学の両者の手法を統合的に用いて研究します。主な材料は、アルプス、カルパチア、日本のシロイヌナズナ近縁植物です。アルプス はフィールド研究にとても美しい場所です。

スイスは、製薬企業を始め、生物学に対して厚いサポートがあります。大学システムはアメリカ的、文化・食事はヨーロッパです。このような環境の利点は、 なぜ小国スイスが科学大国なのか、という特集に要約されています(Nature 435, p. 532, May 26,
2005)。そして、チューリッヒは英語で生活できる国際都市で、ETHやバーゼルの研究所などとともに、インタラクティブな研究環境が生み出されてい ます。

大学については植物科学科のホームページをご参照ください(本研究室のホームページはまだありません)。
植物科学科は、植物分類学科とともに美しい植物園内に位置します。
大学には一部ドイツ語のみのページがありますが、http://translate.google.com/translate_t
で訳すことができます。

以下の論文もご参照ください。

最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。一緒に面白い研究をしましょう。ご応募お待ちしています。


清水健太郎
Kentaro Shimizu
Department of Genetics
North Carolina State University
3513 Gardner Hall
Raleigh, NC 27695, USA
tel. (1)-919-515-5738, or 1695
fax. (1)-919-515-3355
http://purugganan.gnets.ncsu.edu/
kshimizu@ncsu.edu