海はどこまで壊れたか?

DIVERSITAS(生物多様性研究ネットワーク)第一回国際会議でのJane Lubchenco講演の内容に関して、早速松田さんからコメントがあった。
私のブログでは、科学を市民に向かって開かれた知識に変えていこうという彼女の姿勢に共感し、彼女の主張をできるだけ正確に紹介することに努めたので、彼女の主張の根拠に疑問を呈することを失念してしまった。
「大きな魚が90%以上撮られてしまった」という主張や、彼女が紹介したアニメーションの根拠については、松田さんの意見を聞いてみたいと思っていた。DIVERSITASの会議に参加していたFさんとは、昼食のときに、松田さんは違う見解を持っているはずだ、という話をした。
2日目に基調講演をしたJeremy Jacksonは、さらに激しい主張をした。彼の「海はスライム化した」(クラゲやどろどろした微生物だらけの海になってしまった)という持論にはさらに磨きがかかっていたし、海の資源の枯渇に関しては、Jane Lubchenco以上に悲観的な描写をしていた。この講演とセットで、批判的なコメントをブログに書こうと思っていたところである。
太平洋上の機内でたっぷり時間があるので、Jackson講演についてもう少し詳しい紹介をしたうえで、コメントを書こうと思う。

矢原さんは「知らせること」の重要性を語るが、不正確な情報や誤った情報を伝えることが妥当だとは私は思わない。ビジュアルにわかりやすくというのは大切だが、その真贋は科学者自身が吟味する必要がある。

という松田さんの主張には、もちろん、全面的に賛成である。