学振申請を終えて

今日は、大学教員としてまっとうな一日を送った。午前中は、研究室見学者と面接。続いて10時から、大学院生・ポスドクとプロジェクトミーティング。午後は研究室のセミナー。夕食前は、卒業研究生3名に「教育的指導」。夕食後は、M1の大学院生の相談にのり、それから学振特別研究員評価書の作成。6部をコピーして、厳封し、本人に渡したところで、0時をまわった。
学振特別研究員に申請した人、そして今日、話をした全員に、千住博『絵を描く悦び』から、次の引用を送ろう。

展覧会に落選したり、大学院に不合格になったり、皆、いろいろそれはあるものです。私も何回も落選した経験があり、大学(注:東京芸大)も二浪してやっと合格しました。そのときに、格好悪いとでも思うのでしょうか、さも私にはもっと大切なことがある、と言いたげに逃げてしまう。そのような人を実に大勢見てきました。・・・
しかし私のことを考えてみると、私には他になかったのです。他には何もできなかった。生きていく支えが絵しかなかったのです。絵がなかったら、どのような人生を歩んでいたかなど想像もできないのです。私には絵しかなかった。そしてこの「絵しかなかった」という気持ちの人だけが命がけで喰いついた結果が美術の歴史です。

お金にならない基礎科学の歴史も、同じようなものだ。上記の引用を読んで、励みになる人が、一人でも多くいることを祈ろう。
さて、帰ろう。